2013年改正工場排水試験方法に採用された流れ分析法によるシアン化物イオンの定量

摘要

流れ分析法は、ビーカーやフラスコ内で行っている化学反応を流れの中で行うものであり、大きく分けてフローインジェクション分析法（Flow Injection Analysis、以下FIA）と連続流れ分析法（Continuous FlowAnaalysis、以下CFA）とがある. FIAは1975年RuzickaとHansenによって開発されたもので1）、反応コイル内での試薬溶液と試料との拡散混合を利用して反応物を生成させている。CFAは1956年Skeggsによって開発されたもので2）、試薬溶液や試料の流れを空気で分節することで反応コイル内に生じる試薬溶液と試料との対流によってこれらを完全混合して検出可能な反応物を生成させている。いずれの場合も生成した反応物は反応コイルの下流にあるフロー検出器で検出される。検出に用いられる反応生成物は、FIAでは反応の過渡期のものであり、CFAでは多くのバッチ法と同様に反応の完結したものである。