SiC粒子強化Al合金複合材料/SS400の摩耗に及ぼすSiC粒子の粒子径と体積分率の影響

摘要

SiC粒子強化Al合金複合材料（MMC）は，高い比強度および電気伝導性，優れた耐摩耗性を有していることから，自動車·航空宇宙産業に応用されている，そのMMCの優れた耐摩耗性に着目し，創材とSS400との摺動部をもつ部材への適用を検討している。創材とSS400との摺動部がある部材では，SS400と比較して軟らかい材料であるAl材の摩耗が製品寿命を決定している．そこで，Al材をMMCへ変更することにより，製品の長寿命化が期待できる．先行研究では，MCの摩耗についての調査は多く行われているが，MMC中のSiC粒子の粒径および体積分率が相手材である鋼の摩耗に及ぼす影響は調査されていない．そこで，製品の長寿命化を可能にするためには，MMCとSS400の両方の摩耗について総合的に検討する必要がある。本研究では，最も製品の長寿命化を期待できるSiC粒子の粒子径と体積分率の組合せを明らかにするために，SiC粒子の粒子径と体積分率がMMCおよびSS400の摩耗損失と摩耗挙動に及ぼす影響を調査した．