大阪ガスケミカルグループの成長戦略－DerivativeからOriginalへ

摘要

都市ガス会社の石炭化学事業は、コークス炉で製造される都市ガスの副産物により成り立っていました。従って、天然ガス転換完了に伴ってコークス炉が廃止された時点で、石炭化学事業は根無し草となって枯れ果ててしまう運命にありました。また、2005年に武田薬品さhから合流した日本エンバイロケミカルズも、医薬集中の大方針の下、ノンコアとして切り出されて売却されたのでした。かつて総合生活産業や総合化学会社を目指そうとした親会社には、経営環境の変化により、ノンコア事業で多角化を目指す余裕はなくなってしまったのです。親会社の構造的な変革に伴い、ある意味では見切られたともいえる大阪ガスケミカルと日本エンバイロケミカルズを中心とする企業グループは、それまでの親会社への依存体質を根本的に改め、自ら、アイデンティティを再構築し、原料を調達し、製品を開発·製造し、販路を見つけて代金を回収することが出来なければ、事業から撤退·解散するしかない瀬戸際に追い詰められたといえるでしょう。生き延びる為には、それまでのデリバティブ商売からオリジナル商品を事業化して行くことが不可欠になったのでした。