セントラル換気型全熱交換器の設置を想定した戸建住宅の省エネルギー効果に関する研究

摘要

建築基準法の改正に伴い，住宅にはシックハウス対策としての機械換気設備の導入が義務付けられ，年間を通じて居室に0.5回／hの有効換気量が求められるようになった。このような背景から，機械換気に要するエネルギーや，機械換気に伴い生じる暖冷房負荷を低減することが急務となっている。中でも全熱交換器は，熱交換を行うことで機械換気による外気負荷を軽減し，消費電力の大きい暖冷房負荷の削減につながることから，省エネルギー効果が期待されている。石川らは，全熱交換器の評価方法および換気回路網数値モデルを確立し，全熱交換器各部の風量，圧力，有効換気量の関係を再現した。本研究では，換気回路網に熱回路網および水蒸気流動を加えて全熱交換器をモデル化し，寒冷地域（省エネルギー基準のI，II地域）に有効である全熱交換器を戸建住宅に採用した場合の省エネルギー効果について検討した。