低コヒーレンス干渉計を用いた微小循環血流速分布マイクロ断層可視化法の評価

摘要

血流を代表とする生体内流動や高分子流れなどでは，高い散乱係数を有する多相流れであり，微視的な流動特性の把握が必要となる．特に微小循環血流では，赤血球の変形に加え溶媒との相互作用による非ニュートン特性を，マイクロスケールでの多次元流れ場として検出することが重要なる．本研究では，OCT干渉信号におけるドップラー変調周波数を高精度に断層検出可能なOCDVシステムを提案し，病変組織の形態分布と共に血流速分布をビデオレートにてマイクロ断層可視化するシステムを構築する．本稿では，高時間分解能での断層計測を可能とするスキャニングシステムRSOD を導入し，ヒト血液と同等の赤血球濃度である赤血球浮遊液（Hct40%）のマイクロ流れに適用する．これは毛細血管サイズの微小血液流れで有り，本システムで得られた赤血球速度断層可視化結果から，その妥当性検証を行う．