バースト波を用いたプラズマアクチエータによる後向きステップ流れの制御（流動特性）

摘要

流れの制御用デバイスとして，これまでに多くのアクチュエータが開発されてきた．近年，小型·軽量で構造が簡単，応答性が速い等の特徴をもつプラズマアクチュエータ（PA）が注目を集め，活発な研究が行われている．PAによる制御としては翼や物体周りの流れなど，外部流に関するものが多い．一方，はく離·再付着を伴う代表的な流れである後向きステップを有するチャネル流れのような内部流に対してもPAの有効性が確認されている．ここで，PAの駆動にあたっては，アクチュエータに印加電圧を連続的に供給する方法（連続波）と印加電圧のon-offを周期的に繰り返して供給する方法（バースト波）とに大別できる．著者らは，既報においてPAをバースト駆動した場合の誘起速度特性，ならびにPAを後向きステップ流れに適用した場合の圧力特性について報告した．本報では，バースト駆動のPAによる後向きステップ流れにおける急拡大損失の低減効果，ならびにPIVを用いて速度場の測定を行うことにより流動特性を明らかにする．