ダリウス型風車における翼周りの流れが性能に及ぼす影響

摘要

近年、地球温暖化防止ならびに化石燃料の枯渇に対処するために、我が国でも太陽光、風力、地熱といった自然エネルギーの有効利用が活発に行われるようになってきた。とりわけ、風力発電は太陽光発電と並hで将来有望な発電形式であり、日本では1998年におよそ5万kW程度の発電量だったのが、わずか5年後の2003年には67.7万kWと大幅に増えている。代表的な発電用風車にはプロペラ型、ダリウス型、サボニウス型などがあるが、風向が一定ではなく常に変化する日本の風況には一般的なプロペラ型のような水平軸タイプの風車よりも垂直軸タイプの風車が適しており、その中でもエネルギー変換効率が比較的高く騒音が発生しにくい、また、構造が単純なため低コストで製造できるダリウス型風車が有望であると考えられる。しかし、ダリウス型風車はプロペラ型風車と比較して若干効率が低いことや、起動トルクが小さいため通常は風車単体では自己起動できないという欠点がある。そこで、本研究では構造が簡単な直線翼を有するダリウス型風車の効率向上を図るために、PIVを用いて翼周りの流れの可視化を行って流速分布を求め、翼周りの流れと翼に作用する力について検討したので報告する。