巻フィルムチューブ式SMA人工筋肉アクチュエータの開発（SMA長方形断面素線コイルばねの試作）

摘要

SMAアクチュエータの応答性の問題を解決するため，高い耐熱性と柔軟性を合わせ持つ巻フィルムチューブにSMAコイルばねを挿入して用いるSMA人工筋肉アクチュエータの開発を行っている．巻フィルムチューブは，細いほど曲げ半径が小さくなり人工筋肉の必須要件である柔軟性の獲得に有利になるが，本研究で使用してきたSMA円形断面素線コイルばねは細くなると発生力が低下し，現状ではこれ以上の発生力の向上が望めなくなっていた．そこで，同外径において，より大きな発生力と応答速度が期待できるSMA長方形断面素線コイルばねについて試作·検討を行った．その結果，生体の遅筋と同等で速筋の半分の速さである時定数200msを記録し，生体筋の約17倍の最大発生力·発生圧力を確認した．