金属粉末レーザ積層造形におけるアルミニウム粒子間の熱伝達メカニズムの解明

摘要

金属粉末レーザ積層造形とは，粉末層に選択的にレーザを照射し溶融·凝固させることで2次元形状を形成し，それを積層させることで所望の3次元形状を造形する手法である．中でもアルミニウム粉末を用いた金属積層造形はアルミニウムの持つ低比重·高熱伝導性から，航空宇宙·自動車·ロボット分野等において注目されている．アルミニウム粉末を用いた金属積層造形における問題点として，アルミニウム表面に存在する自然酸化膜および加熱中の酸化膜，アルミニウムの粒子同士の真実接触面積の影響で粒子どうしの熱伝達が不安定のため，緻密で形状精度の高い造形が困難であることが挙げられる．安定した造形を行うために，粉末層への最適なレーザ照射条件を設計する必要があり，そのためにレーザ照射による粉末の溶融·凝固現象の解析モデルの構築が必要とされている．