トンネル壁面への吸熱量の相似則に関する考察

摘要

火災によって発生する流れは浮力が主要因であり，火災時の熱気流（煙流動）に関する実験の相似則として，一般にはフルード則が用いられる．一方，トンネル火災時の熱気流に対しては天井や側壁への吸熱量が大きな影響を及ぼすため，これらの実験においてはトンネル壁面への吸熱特性に関する相似則も重要となる．しかし，壁面への吸熱に関する相似則についてはビオ数B_j，フーリエ数F_oの比較によって検討した例があるものの，その他の検討事例はほとhどない．そこで，本報告では，壁面への吸熱特性の相似則について考察し，トンネル模型の壁材料の熱的物性値が満たすべき条件ならびに必要な壁厚さについて解析的に検討した．