軸方向ノッチ欠陥における円周SH板波の共鳴現象

摘要

T（0，1）modeガイド波が軸方向ノッチや周方向に偏在する欠陥部に到達すると，欠陥部で円周方向に伝搬するSH板波に近い何らかの波動が励起されることが，板材での基礎検討も含めて報告されている．その後上記SH 板波に近い波動が円周SH板波であることが示され，ある特定の周波数で定在波を発生させ，共鳴することが確認されている．この共鳴現象は，圧電式リング型センサーで得られる特徴的な波形からも確認できることが示されている．すなわち共鳴時には，本来得られる欠陥反射波に加え，その後方に継続時間の長いリンギング波形が検出される．また円周SH板波の共鳴は，軸方向ノッチ等の貫通欠陥において，欠陥の周方向幅に依存して共鳴周波数が変化することも実験とシミュレーションより報告されている．円周SH板波の共鳴定在波の角波数は，概ね半整数であることがこれまで示されている．ここに角波数とは，円周長を波長で割った量である。