4足動物の筋骨格系を模擬した受動機構による歩容の形成 (速度変化に応じた4足機構の歩容の切リ替え）

摘要

4足動物はその歩行速度に応じて歩容を切り替える.HoytとTaylorは各歩容にはエネルギー消費量が最小となる歩行速度があることを明らかにした.この歩行速度に応じて最適な歩容を切り替えるという現象は多自由度振動系を加振したときに，周波数によって励起される固有振動モードが切り替わるという現象に類似している.また，4足動物が歩行する際の歩容の決定は脳などによる複雑な制御を用いたものではないことを示した研究も行われており，歩容の決定は筋骨格系などの身体構造の特性によるものであると考えられる.以上のことから4足動物の歩容の形成には身体の固有振動が関わっていると考えられる.歩容の形成と固有振動の関係を明らかにすることは4脚ロボットなどの機械の高効率な駆動へ応用できると考えられる.