曲げ損失補償型光ファイバ硬化度測定システムの開発

摘要

本研究室では光ファイバセンサによる屈折率測定法を用いた硬化度測定と，FBGセンサを用いたひずみモニタリングの二つに着目してきた．前者は樹脂の硬化度を硬化開始から終了まで測定することが可能であることが示されている．一方，後者では成形中に生じる熱ひずみ，硬化収縮，そして冷却時に生じる熱残留ひずみを測定することが可能である．しかし，光ファイバセンサを用いた硬化度測定においては，経路中の光ファイバに局所的な曲げが加わると，光損失が生じて正確な測定ができないことがある．これはオートクレーブやホットプレスのような加圧成形では欠点となる．そこで本研究では，局所曲げによる光損失量が波長に大きく依存性することを利用して，2つの光源を用いて，局所的な曲げによる光損失を補正し，硬化度とひずみの同時測定が可能なシステムを考案した．