浮体式風車の姿勢·出力安定化に向けたピッチ制御の研究

摘要

本研究では浮体式風車の出力と姿勢を安定化する制御を開発することを目的とし，回転数とタワーの運動姿勢を用いて翼ピッチを調整する同時制御についてFASTを用いた数値解析により評価を行った．解析モデルは空力·波力·浮体について実験と適合する結果が得られている．ただし，係留線のモデルについてはより実験を踏まえたモデルとして作り直す必要がある．FASTによる同時制御の解析では同時制御が出力·姿勢を安定化する可能性を見出した．ただし，今回のケースでは同時制御の検証を規則波·定常風での1条件での検証となっている．実際の制御に発展させるためには，より詳細な条件での検証が必要となる．今後は，係留線のモデルを見直すことでモデルを高精度にし，波や風の条件に対して同時制御の最適化や高度化を行っていく．また，より実際的な風車モデルに適用し，制御が実海域で使用可能かどうか評価·検証を行っていく．