渦溝ツールにより作製したA6061/AZ31異種金属摩擦攪拌スポット接合継手の疲労挙動

摘要

近年，輸送機器分野では低燃費化や高効率化のために，構造の軽量化が強く求められており，アルミニウム（Al）合金やマグネシウム（Mg）合金等の軽金属が多用されるようになった．そのため，Al合金とMg合金の接合が，特に自動車産業界等において重要な課題となっている．しかし，抵抗スポット溶接などに代表される従来の溶融接合手法では，接合界面に脆い金属間間化合物が多量に形成されるため，信頼性のある継手を得る事が難しいとされている．一方，摩擦攪拌スポット接合（Friction Stir Spot Welding : FSSW）は，固相接合であるために異種金属接合に適すると考えられているが，AlとMg合金の異種接合についてはほとhど実績がない．また，異種金属継手の疲労挙動に関する報告例も少ない．さらに，FSSWではプローブを有する回転ツールが広く使用されているが，接合部にプローブ穴が残ることが欠点として挙げられる．そこで本研究では，プローブが無くショルダー面に渦溝を施した円柱状ツール（渦溝ツール）を用いて，AlとMg合金薄板の異種金属FSSW継手を作製し，その疲労挙動について検討した．