電気電子部品の寿命予測

摘要

電子機器では，搭載される電気電子部品のわずかな腐食が電気的特性，磁気的特性に変化を与え故障や誤動作の原因となる恐れがある．電気電子部品は，集積化により部品点数が減少して信頼性が向上する一方，微細化により腐食許容量はますます小さくなってきた．電子機器を正常に稼働させ維持するためには，適切な腐食評価·診断を実施する必要がある．すなわち部品単体に対しては，腐食試験に基づき寿命を推定し，適正な部品を選定する．電子機器本体に対しては，設置環境の腐食性診断に基づき寿命を推定し，機器の保守管理の基準とする．ここでは，電気電子部品の大気腐食の概要を述べた後，その腐食寿命を推定するための腐食試験評価（高温高湿試験，ガス試験），設置環境の腐食性診断方法について説明する．