真実接触面積の成長過程に及ぼす試験片厚さの影響（第5報）: 大小の谷が交互に並ぶ一次元規則性凹凸面を有するゴム製ブロックの検討

摘要

前報で，大小2種類の溝で構成された一次元規則性凹凸面を有するゴム試験片の真実接触面積を追跡し，2つの溝のアスペクト比や溝深さの関係によって，消滅する溝の順番が異なることを明らかにした．前報では，溝の幅に対して十分な厚さを有すると考えられる試験片を用いたが，ゴムのような軟質材には，シリンダヘッドガスケットのように，弾性率がはるかに大きい基材表面に薄く被覆しているものもある．著者らは先に，同一の突起が周期的に並hだ規則性凹凸面の真実接触面積に及ぼす試料厚さの影響を調査し，下地の剛性が影響せず十分な厚さを有しているとみなすことができる限界の試料厚さが存在すること，その限界厚さは凹凸ピッチλに依存していること，試験片厚さがλ/3より小さくなると接触面積が急激に小さくなることを明らかにした．そこで本研究では，大小2つの溝が交互に繰り返される一次元規則性凹凸面において，試験片厚さが大小それぞれの溝の消滅過程に及ぼす影響について調査した．