全機械加工によるPEEK軸受のラジアル荷重下における転がり疲労特性

摘要

現在，軸受の材料として高炭素クロム軸受鋼，浸炭軸受鋼，セラミックスなどが広く用いられている．しかし、これらの材料の特性だけでは全ての工業的な使用環境下の要求を満たすことができない．そこで自己潤滑性，耐薬品性，耐熱性などの特性をもつPEEK樹脂を軸受の材料として用いる事により軸受の軽量化や無潤滑下および湿潤滑下での寿命向上が期待されている．本研究では，機械的に強靭な性質をもつ熱可塑性樹脂PEEK軸受の軌道輪と玉の保持器を機械加工で作製し，ラジアル方向への高荷重および繰返し荷重下での転がり疲労試験（Rolling Contact Fatigue試験）を行い，損傷の発生状況および摩耗量，摩耗の分布について調べた．