アミド添加油の分子間相互作用に対する高圧高温の影響

摘要

半固体潤滑剤のグリースは増ちょう剤の種類によりリチウム石鹸グリースやウレアグリースなどに分類され、ゲル状潤滑剤は親水性ポリマーで水を保持したハイドロゲルや、熱可逆的にゾルゲル転移をするアミド添加ゲル状潤滑剤が挙げられる。なかでもウレアグリースとアミド添加油は、それぞれウレア化合物の増ちょう剤とアミド化合物が含まれており、ウレア基とアミド基による分子間の水素結合が増ちょう剤やアミド化合物の集団構造に影響を及ぼしている。増ちょう剤やアミド化合物は基油の保持や潤滑特性に関与していることから、潤滑下における増ちょう剤やアミド化合物の挙動を調べることが大切である。著者らは今まで潤滑剤成分の分子間相互作用に関する研究を行っており、EHL 接触域において液体潤滑剤の分子間相互作用が変化することを報告している。本研究では、ウレアグリースとアミド添加油を試料として、増ちょう剤とアミド化合物分子の分子間相互作用に対する圧力や温度の影響を調べた。さらにEHL 条件下における変化をその場観察して比較検討した。