斜板形圧縮機における斜板·シュー間の接触特性の測定

摘要

冷媒圧縮機内の潤滑は，圧縮機の信頼性に大きな影響を及ぼす．圧縮機内のしゆう動部において油膜が破断した場合には，金属接触が発生し磨耗や焼きつきの原因となるため，実機運転状態においてしゆう動部の接触状態をモニタし，運転条件としゆう動部の潤滑特性の関係を明らかにすることが重要となる．カーエアコンで多用されている斜板形圧縮機において，斜板·シュー間は接触状態が最も厳しいしゆう動部のひとつであり，起動液圧縮時などには過度の接触が発生することがある．本研究では，斜板形圧縮機の斜板·シュー間の接触状態をモニタするために，斜板·シュー間に対して電気抵抗法の適用を検討し，運転条件が接触特性に及ぼす影響を実験的に調べた．さらに電極電圧と油膜厚さの関係についてもモデル実験装置を用いて検討した．