エタノールからの酢酸エチル直接合成に有効な担持銅触媒の開発

摘要

近年，エタノールを出発原料としてエチレン， アセトアルデヒド，1，3－ブタジエンをはじめとし て基礎化成品やその誘導体を製造する例が報告 されている。酢酸エチルは、塗料工業や抗生物質 製造用などの抽出用材としても用いられ、重要な 化成品の一つである。安価なエタノールを単一の原料とする酢酸エチルの合成（2C2H5OH->CH3CO2C2H5＋2H2）が実現できればその意義は大きいと考えられる。本反応は，脱水素ならびに 縮合反応を経由して進行すると提案されており,それぞれの反応を促進する金属および酸·塩基点 を有する触媒が有効であると考えられる。本研究 では、種々の酸化物を担体とした担持Cu触媒を 調製し，Cuの分散度ならびに酸·塩基性質がエタ ノールからの酢酸エチル直接合成反応に対する触媒作用に与える影響について検討を行った。