Ruバイメタルナノ粒子を用いたアルカリ条件下での電気化学的水素酸化反応

摘要

貴金属以外の触媒を利用することができるタイプの燃料電池として，アニオン交換膜形燃料電池が近年注目されている．アニオン交換膜形燃料電池は，水酸化物イオン伝導性の高分子膜を電解質に用いた燃料電池であるため，プロトン交換膜形燃料電池よりも電極触媒に低腐食環境を提供する．これにより，貴金属以外のさまざまな金属を触媒として用いることができる．我々は，これまでに，アニオン交換膜形燃料電池燃料極触媒として，種々の金属（Ru，Rh，Pd，Ag，Au，Cu）ナノ粒子を用いてカーボン担持金属触媒を合成し，燃料極で進行する水素酸化反応の活性試験を行ってきた．その結果，Ruナノ粒子がPt触媒に匹敵する触媒活性を有することを見出した．本研究では，Ru触媒の水素酸化反応活性をさらに向上させるために，Ruと異種金属のバイメタル化を検討した．