渦電流試験による多方向強化 CFRP 積層板の異方性導電率の測定

摘要

異方性材料である CFRP には，繊維方向，繊維 直交方向，厚さ方向の 3 方向の導電率が存在し， 中でも厚さ方向導電率は成形時の繊維接触によっ て決まるため，箇所によってばらつきが生じやす いといった特徴がある．CFRP は金属に比べて導 電性が低く，航空機や風力発電ブレードなどの構 造部材で適用される場合，雷撃を受けるとジュー ル発熱により損傷してしまう．従って，現在この ような構造部材では，その表面に金属製のメッシ ュを貼るなど耐雷対策が必須である(1)．その結果， 重量増加に繋がり，軽量である CFRP の利点を生 かし切れない．そこで CFRP の導電性を高める研 究が進められており(2)，構造部材の軽量化が期待 されている．