発泡金属の圧縮変形における実質部材の曲げと座屈挙動

摘要

発泡金属のような内部構造を有する材料の変形過程では，巨視的には単純／一様であっても個々の部材は複雑なプロセスを経る．特に発泡金属では，部材は薄い板状あるいは細い柱状を呈しており，比較的小さな変形であっても曲げ，くびれ，さらに座屈変形が重要な因子であるといえる．実際に実験においても，複雑な形態をした薄い／細い部材の変形の組み合わせとして巨視的な変形が観察されており，均質／一様な変形よりも，その構造に特有の個別部材における局所的な変形に支配されることがわかっている．発泡金属の特長である大きなエネルギー吸収特性は，このような複雑な変形プロセスにあるといえる．ここでは3次元での基本的な曲げ／座屈変形と発泡金属の圧縮を模擬した数値解析を行い，変形の索過程と巨視的な挙動を検討する．