複合鍛造による各種歯車の精密鍛造の現状

摘要

最近のわが国経済はようやく明るさが見えてきた、今回の回復局面は企業の収益改善と輸出による外需が回復の原動力になっている、従来対米輸出に偏っていた外需も好調な中国経済が追い風になり、中国向け輸出が外需を引っ張っているなど景気は好転しつつあるが、ただ最近の急激な円高や04年は住民税の増税、年金保険料の引き上げを控え消費回復に期待できない等まだまだ不安要因が多い。一方自動車をはじめその他あらゆる産業の生産拠点の海外移転が進み、中国、東南アジア、インド躍進がめざましく中でもここ2～3年中国の発展のスピ-ドは驚異的である。安い労務費と豊富な労働力に日本の技術支援により造られる鍛造品は価格も安く、十分使用できる品質で一般鍛造品においては日本メーカーの競争力がますます低下している。唯一、日本の優秀な鋼材製造技術に守られ特殊鋼使用製品では鋼材を含めた現調化は少し時間がかかっているが、これとて時間の問題である。このような背景のもと一般鍛造品と比較して更に高い技術が要求され、一般鍛造品より付加価値の高い精密鍛造品の分野は未だ比較的優位にある。弊社においても1985年頃から熱間·冷間複合鍛造による精密鍛造品の開発に取り組み、今では弊社の主力製品になっている、この精密鍛造品も同業と激しい価格競争を行っている。今回は精密鍛造品の概要を報告する。