ボルタンメトリーによる錫酸化皮膜の状態別評価

摘要

錫は比較的耐食性に優れ，電子部品の端子材料のめっき物として良く用いられる.ただし環境条件によっては錫酸化物（SnO，SnO_2）が生成しうる．両酸化物の諸性質が異なるため，腐食解析では状態別分析が重要と考えられる．現在でも表面機器分析法（XPS，XRDなど）による評価は難しく，これまではホウ酸緩衝液を用いたCP（Chronopotentiometry）が主に定量分析に適用されてきた．しかしながら従来技術では，依然として定性面で問題がある．そこで我々は，新たに電気化学的な分析手法を開発した結果，アンモニア緩衝液を用いたボルタンメトリー(Voltammetry）がより望ましいと結論付けた.