高効率廃棄物発電ボイラ過熱器管の高温腐食による減肉に及ぼす付着堆積灰性状の影響

摘要

低炭素社会の実現とエネルギーの安定供給の観点から廃棄物発電が注目されており，地産地消型の基盤電源として発電設備付きの都市ごみ処理施設の導入が拡大している。廃棄物発電の発電効率を改善するためには，廃熱回収ボイラの蒸気を高温化することが有効であるが，焼却飛灰や腐食性排ガスの影響によって過熱器管（スーパーヒーター）に溶融塩腐食が生じ，鋼管が減肉するという深刻な問題がある．著者らは，高効率廃棄物発電設備の実用化とさらなる高効率化を目的として，現行の廃熱回収ボイラの蒸気温度400°Cを450°C程度以上にまで高温化させることを検討しており，既設の廃熱回収ボイラに模擬過熱管を挿入して腐食減肉を測定する暴露試験を実施するとともに，模擬過熱管に付着堆積した焼却灰について調査を行っている．本報では，暴露試験の結果，および灰の性状と腐食減肉との関係性について解析した結果を中心に報告する．