落花生殻とPVAの複合材料の加熱圧縮成形（第1報：機械的および熱的特性の把握）

摘要

これまで，地球の環境負荷低減の一方策である天然由来の素材の活用としては，木材が多く活用されている．天然素材活用をより促進するために，千葉県名産の落花生に注目した．全国における落花生の生産量は年間約20,300t（2009年）であり，この内殻は約12.5％を占める．食用として加工される過程で落花生殻は剥き取られ，それらの一部は堆肥化されているがほとhどが産業廃棄物として処理されている．その量は日本で2540t／年，全世界では，落花生殻の排出量の1位は中国，2位はインドで，その合計は約450万t／年にもなり，その有効活用が必要と考えた．この落花生殻の活用方法として，樹脂と組み合わせた複合材料とすることが考えられる．特に現在では天然材料と熱可塑性樹脂，生分解性樹脂を組み合わせた複合材料の開発が多く見られる．そこで本研究では，落花生殻と生分解性樹脂（PVA）の複合材料の成形方法を開発し，その機械的及び断熱特性を評価したので報告する．