気体潤滑成形法の温間絞りへの適用と気流層の観察

摘要

本研究では，環境の面から問題となる潤滑剤の代替えを模索しており，被加工材の絞り加工において，板材とダイ及びブランクホルダ間に気体潤滑層を介在させて，工具と被加工材との接触を低減することを目指している．筆者らは既報において，A1050-O，A1050-F，A3003-O，SPCE材を冷間絞り加工時に発生する被加工材とダイ及びブランクホルダ間の摩擦低減効果が潤滑剤使用時と同程度である事を示した．本報では，温間時に加工軟化を引き起こすAZ31Bと他の金属材料に比べて極めて高いr値を示す純チタン(TP270)の温間域において，気体潤滑成形法が適応出来るか検討するとともに，加工時の気流層厚さと被加工材材質の関係を調査した．