AZ31Bマグネシウム合金の周期的加工による組織変化

摘要

これまでマグネシウム合金の集合組織制御の研究は様々な方面から行われており，微視組織や集合組織を大きく変化させる加工プロセスは数多く報告されているが，連続的なプロセスとしてのそれはあまり開発されていない．そこで著者らはマグネシウム合金板に周期的な圧縮ひずみを付与するPeriodical Strainingと，続く平圧延を行うことで平坦化させるPeriodical Strain Rolling (PSR)プロセスを提案した．このPSRプロセスは，Fig.1に示す概略図のように，ピニオンギア状の多数の突起を有するロールと平ロールを組み合わせて，板表面に波状のくぼみを多数転写し，その後上下ロールにて波板を平坦化させる加工法である．本研究では，周期的ひずみおよびその後の平圧延工程がマグネシウム合金板に与える微視組織，集合組織，機械的特性への影響について明らかにすることを目的とする．