層流境界層が流入する折れ部を上流に有する曲面端部から生じる空力騒音の発生機構

摘要

層流境界層が流入する折れ部を上流に有する曲面端部から生じる空力騒音に対し，風洞実験および流れと音の直接計算を行い，以下のことを明らかにした．モデル後端部付近において，渦が放出されることにより膨張波が発生すると考えられる．圧縮波は膨張波を放出した渦と上流から対流してくる渦の間のから発生されると考えられる．さらに，発生したこれらの音波が上流に伝播し，音波による粒子速度をせh断層が受容し振動し，この振動によって生じたじょう乱が下流で発達し渦が発生すると考えられる．折れ部角度が小さい場合は，折れ部後流でのはく離が生じないため，渦が発生しにくく，ピーク音が発生しない．また，折れ部角度が大きい場合は，大きなはく離によりモデル壁面近傍の流れが乱され，渦の放出により発生する音のスパン方向への打消しが生じることで，フィードバックループが生じない．