迎角を有する翼周りの馬蹄形渦と渦発生器による縦渦の干渉に関する研究

摘要

翼基部周りの流れにおいて，境界層が剥離し，翼に巻きつくように発生する流れ構造を馬蹄形渦という．タービン翼や航空機翼では，馬蹄形渦が全圧損失などを引起こす．また，近年では環境問題への配慮などから各種流体機械の高効率·省エネルギ化が求められるため，馬蹄形渦の抑制および制御は重要な課題である．過去の研究により，翼が迎角を持たない場合，渦発生器による縦渦を適切な条件で干渉させることにより馬蹄形渦の移動，減衰が可能であることが確認されている[1]．実際には翼が迎角を有する場合が存在し，複雑な渦の干渉過程が予想されるため，本研究では迎角を有する翼周りにおける縦渦の干渉が馬蹄形渦の挙動，全圧損失，及び抗力に及ぼす影響を解明することを目的とする．