ボールエンドミルによる大きな傾斜角をもつ面の等高線加工における切削性能評価―三次元CADを活用した切削機構の解析と検証実験

摘要

ボールエンドミルは三次元輪郭形状の加工に不可欠な工具で，金型加工等に多用されている．近年，5軸制御加工機やそれを支えるCAD·CAMの発展が著しく，工具としてのボールエンドミルには高能率で高精度な加工が期待されている．しかし，この工具は切れ刃形状が複雑なためにその切削機構の解明に三次元CADを用いる方法を提案しているが，不明な点が多く工具の切削特性に応じた利用が十分なされているとはいえない．本報では，大きな傾斜角をもつ面の等高線加工において工具回転に伴って変化する切削面積を高精度に求めた．また，切削トルクに相当する評価値を定義し，実験で得た切削力，仕上げ面粗さとともに切削トルクを求めて切削特性の検討を行った．