超音波振動を援用した難削材への小径ドリル加工（第二報）―インコネルの穴あけにおける超音波振動の効果

摘要

近年，機械部品の小型化，高精度化などの要求により，難削材に対して小径穴を精度良く，かつ効率的に加工する必要性が高まっている．しかし，従来のドリル加工は，ドリル自体の剛性の低さ，切りくず排出の困難さなどの問題を抱えている．これらを解決するため，切削抵抗の減少·切りくず排出性の向上などの効果が期待できる超音波振動援用加工技術が開発されている．前報では，切りくず排出に与える効果の観察を行ったが，本研究では，インコネルの穴あけにおける超音波振動の効果を確かめるために，工具の摩耗および加工穴の性状を観察し，慣用加工に対する超音波振動援用加工の特徴について検討する．