カテーテルナビゲーションのための磁気式トラッキングシステムに関する研究

摘要

口腔がhに対する治療法として超選択的動注法と呼ばれる手法がある。カテーテルを目標とする血管にまで誘導し、抗がh剤を流すことで効率よく癌を死滅させる事が可能であり、非常に低侵襲な治療を行う事が出来る。しかし、カテーテルを直視出来ないために誘導に時間がかかってしまい、位置を確認することに使用される造影剤や、X線被曝量が増加する問題が存在する。そこで、造影剤を使用する代わりとしてカテーテルの位置を知るために磁気式トラッキングシステムを使用したナビゲーションシステムの有用性が挙げられている。磁気式トラッキングシステムは磁場の影響を受けやすく誤差が大きいために、今までは小さな領域内においては余り用いられることはなかった。しかし近年の技術進歩により、限られた領域ではあるが高い精度を出す事に成功し、口腔癌に対する磁気式ナビゲーションも提案されている。また、カテーテルの形には多様性があり、先端の形によってナビゲーションにおいて必要とされる情報が異なってくる。しかし、臨床において使われるカテーテルは代表的に2種類に分別することができる。1つは先端が円柱のようにまっすぐ伸びている形状（Fig.1）、1つは先端付近において曲がっている形状である（Fig.2）。以下の説明においては、Fig1のカテーテルをタイプ1、Fig2をタイプ2とする。