インコヒーレント光を用いた刃先位置測定装置の開発マイクロエンドミルと被削材とのすきま距離の測定

摘要

マイクロレンズアレイなどの光学部品の金型には，Φ0.1mm 以下の程度のマイクロエンドミル（以下，工具）を用いることが多い．このような工具の位置測定を行う場合，従来からの方法を用いると，次の問題点が生じる．接触式の刃先位置測定器では，測定力により切れ刃を破損することがある．また，非接触式の刃先位置測定器には，レーザ光透過方式，CCD カメラ方式があるが，レーザ光透過方式では，工具刃先形状の違いによる測定への影響が指摘され，CCD カメラ方式では工具刃先とベッド面の距離を直接測定できず，タッチセンサーを介する必要があるため，それに起因するばらつきの要因が増える．そこで，本研究では，以下のような特徴をもつ工具刃先位置測定装置の開発を目的とする．(1) 非接触で精密度の高い工具刃先位置測定が可能(2) 工具刃先形状の違いによる測定ばらつきを受けにくい(3) 工具刃先と被削材の位置を直接検出が可能本研究で提案する方法では，工具刃先と被削材の接近を側面から直接観察し，そこを通過する光強度がすき間の二乗に比例することで，それらの位置を高い精密度で検出できる点に特徴がある．本報では，測定装置を試作して原理の確認を行い，実験的に精密度を求める．さらにオンマシン刃先位置測定装置の試作状況を報告する．