超音波振動切削によるステンレス鋼（SUS304）の穴加工における工具寿命向上効果の一考察

摘要

高付加価値加工が求められる中、いわゆる難削材の加工に関しては、様々な方法での検討、対処が行われている。その中で知工時の切削抵抗を抑制することができる超音波振動切削技術は、非常に有効な手段となると考えられる。我々がこれまでに確認してきた超音波振動切削における効果の事例として、切削抵抗の主分力の低減効果の一例を図1、ドリルの加工トルクの低減効果の一例を図2、加工熱の低減効果の一例を図3示す。このような切削抵抗の低減により期待される効果の中から、難削材加工の際に問題として挙げられる工具寿命に着目し、穴加工時の工具寿命の向上効果を得るために必要となる要因に関しての検討を行った。木報では超音波振動モードはねじり振動を使用し、被削材はステンレス綱はUS304）を使用しての実験による一考察を紹介する。