高硬度金型材加工用工具の評価

摘要

近年の金型業界では，金型の低コスト化·短納期化が求められており，それまで主流であった放電加工では電極の作成や膨大な加工時間などで金型製作に時間がかかり過ぎる。そこで，切削工具を用いて材料を一気に直彫り加工し，かつ本来は仕上げ作業として必要な手磨き作業を無くすことで加工時間が大幅に短縮できる直彫り磨きレス加工に注目が集まっている。しかし，最近金型の長寿命化の要望や，常温で材料に圧縮応力を与えて変形させるため金型自体にも大きな応力が掛かる冷間鍛造用金型や精密せh断用金型などでは金型材料自体の高硬度化が求められてきている。その結果、材料となる合金材の硬度（HRC64以上）が切削工具の硬度に近くなり、一般の超硬合金を用いた切削工具では直彫り加工が非常に難しくなってきている。そこで高硬度材料の加工用工具の１つとして注目されているcBN に注目し、従来から研究を行ってきたが、未だに工具形状やcBN 含有量などの模索が行われている。またcBN は非常に脆く衝撃に弱いため，扱いが難しく，大径工具を作ることが難しい上，コストが非常に高くなるなどから実用化のための研究開発が進hでいない。