順逆統合生産システムのシミュレーションとプロトタイプ工場モデルの試作

摘要

近年、地球環境保全の観点から従来の大量生産、大量消費型社会から、速やかな資源循環型社会への移行が求められつつある。そのためには逆工程をも考慮した循環型生産システムを実現し、効率的に運用することが不可欠である。循環型生産においては、バージン部品から製品を製造するのみならず、市場から回収された中古製品を効率的に利用して製品の製造を行うことが重要となる。しかし、市場からの回収製品はその量や種類、品質などの変動が大きく、予測困難であることから循環型生産を効率的に実現するのは困難である。このような複雑で予測困難な条件下における適切な生産条件やルールを導出するためには、計算機シミュレーションが有効である。本研究では、このような条件下における適切な生産システムの運用条件やルールを導出するために計算機シミュレーションを実施し、あわせて循環型生産を効率的に実施するための順逆工程統合型工場の概念設計を行い、プロトタイプを試作する。