プロダクト間の関係としてのスケールフリーネットワークに関する研究：免疫システムからの視点

摘要

プロダクト間の関係はどのような構造になっているのか．デジタル·エンジニアリングはモノ作りに必要な情報をすべてデジタルデータで表現し，製品開発を一連のデジタルデータの変換プロセスと捉える技術といわれている．RFID などの普及とともにプロダクトそのものをもデジタルデータとして取り扱う世界もまもなく実現するだろう．プロダクトはこのようにデータとして扱える反面，現実世界による影響を無視できないという特徴をもつ．このような世界において，プロダクト間の関係や構造はどのようになっているのだろうか．ここで単純に，プロダクトをノードN，データ間の関係をリンクV とし，それらの間にネットワーク構造(N，V)を仮定する．ここでノードN は生産や故障によりその数を増減する特徴を持つ．また，これに伴い，リンクも動的に変化するという特徴を持つ．本稿ではプロダクト間の関係·構造を免疫システムとして見た場合にあらわれるネットワーク構造について報告する．ネットワーク構造の分析についてスケールフリーネットワークを参考にしスケールフリーネットワークと免疫システムネットワークとの基本的な違いを述べる．