コンバータ·系統連系インバータに用いられる電力変換回路技術および制御技術

摘要

本稿は，「交流電源にインタフェースされる電力変換回路および制御技術調査専門委員会」のグループ1の調査結果をまとめたものである。当該委員会全体の中で，グループ1では，AC-DCコンバータおよび系統連系インバータを主な対象として，そこで用いられる電力変換回路技術，制御技術について調査を行った。調査対象である2015年以降においては，系統連系規程の改定により，電力系統の電圧フリッカ対策や電圧上昇を抑えるために，逆潮流する系統連系インバータの標準力率が1.0から0.95に変更されるなどの大きな変化が生じている。また，電力自由化や電気自動車の普及，半導体パワーデバイスの性能向上および低価格化，CPUやFPGA等のプロセッサの性能向上などにより，用いられる電力変換回路方式や制御技術のトレンドも変遷している。以下では，調査した文献の一部を挙げ，AC-DCコンバータおよび系統連系インバータに用いられる回路技術，制御技術のトレンドについて，主たる背景となる事柄ごとに分類して述べる。