電力流通機器内部の故障アークに起因する圧力上昇·伝搬現象

摘要

雷などの自然災害や電力流通機器の経年劣化により機器内部で短絡故障が発生すると，故障箇所には通常の数倍から数十倍にも及ぶ大電流の故障アークが発生する場合がある。その際，高温のアークにより機器内部の絶縁媒体が加熱され，圧力が上昇し，機器の破損，場合によっては破損箇所から高温ガスが噴出し，公衆災害に至る可能性がある。これらの事象解明やその対策を検討するため，これまで電力中央研究所では，電力流通機器の主な絶縁媒体である空気，絶縁油，およびSF_6を対象とし，機器内部の故障アークに起因する圧力上昇·伝搬現象の解明に実験および解析の両面からアプローチしている。