920MHz帯パッシブRFIDによる患者認証用リストバンドタグの開発

摘要

入院病棟ではリストバンドに記されたバーコード情報で患者認証を行っている。2004年11月には、秋田大学医学部附属病院で我が国で最初のRFIDによるリストバンドが実現された。同病院では、その翌月よりヒヤリハットが半減し、RFIDリストバンドが医療過誤の縮小に効果的であることが示された。しかし同病院のリストバンドに付されたRFIDは、SuicaやPASMOと同様の13.56MHzすなわちHF帯の信号で認証を実施している。この形式のRFIDは認証域が原理的に小さく、パフォーマンスに上限がある。一方、920MHz帯に代表されるUHF帯RFIDは、原理的に認証域を大きく設定できるため、布団越し認証も可能であり、病棟での患者認証にも適する。著者らはすでにUHF帯パッシブRFIDタグのリストバンドへの応用適性を評価した。本研究では、患者の快適性を高めるための薄型リストバンドタグについて検討したので報告する。