仮想支持点可変型磁気浮上装置の構成と外乱応答シミュレーション

摘要

長尺な回転体に対する磁気軸受では，構造と支持剛性との関係から低速域で共振に伴う振れ回りが生じる。この振れ回りに対し磁気軸受の制御ゲインを切り替えることで振動を回避する方法もある。一方，筆者らは制御電磁石の構造を工夫し吸引力バランスを調整することで，仮想的に磁気支持点を変化させる磁気浮上装置を提案した。本稿では，この仮想支持点可変型磁気浮上の概念と試作機について述べる。また，対象のモデル化と補償器設計に基づき，外乱印加時の仮想支持点での状態をシミュレーションにより調査した。