位相シフトPWM制御を用いたモジュラー·マルチレベル·カスケード変換器（MMCC-SSBC）のSTATCOMへの応用：I. MMCCに適したディジタル電流制御法

摘要

筆者らは位相シフトPWMを適用した単一スター·ブリッジセル型MMCC （MMCC-SSBC）の実験を行い，ディジタル制御回路の遅延を考慮した電流制御特性を明らかにした。先行研究においてはマルチスイッチング防止のため，各段のキャリア波の頂点でのみ電圧指令値を更新する方法を採用していた（以下，ワンセル更新）。一方，MMCCの電流制御特性向上のため，全キャリア波の頂点で電圧指令値を更新する方法が提案されている（以下，オールセル更新）。しかし，文献（3）（4）ではオールセル更新を適用した位相シフトPWMのモデリングや制御ゲインの設計法までは言及していない。本論文ではオールセル更新を適用した位相シフトPWMのモデリングを行い，制御ゲインの設計法を示す。また，回路シミュレーション（EMTDC/PSGAP）によりモデリングの妥当性を検証する。