小形風力発電用パワーコンディショナの単独運転防止試験における単独運転時間のばらつき低減

摘要

近年、再生可能エネルギーへの関心が高まると同時に系統への分散型電源の連系量が急速に増加している。一方で、系統連系規程により分散型電源のパワーコンディショナ(PCS: Power Conditioning System)は停電時に0.2秒以内にPCSの運転を停止する単独運転防止機能を具備しなければならないと定められている。なお、小形風力発電用PCSについては暫定的にPCSの定格出力の1/4の出力で単独運転防止試験を行うことが求められている。単独運転検出機能には受動的方式と能動的方式があるが、能動的方式として近年一般的に用いられている新型能動方式（ステップ注入付きフィードバック方式）の単独運転防止試験においては測定結果に大きなばらつきが出ることが知られている。このばらつきの要因を特定するため、任意の位相で系統模擬電源から遮断可能な遮断器を作成し遮断位相の固定を行った。さらに、回転機負荷の無効電力が周期的に変動するので、その値を参照しタイミングを計り遮断を行うことで、遮断時の無効電力を従来よりも高い精度で一致させることでばらつきを低減することができるか検討を行った。