2軸制御ベアリングレスモータの軸方向振動抑制による減衰性とDゲインの比較

摘要

ベアリングレスモータは，磁気軸受と電動機が磁気的に一体化しており，非接触で回転子を支持しながらトルクを発生させることができる。機械的なベアリングを使用せず，潤滑油レス，メンテナンスフリーという特長をもつ。5つの自由度(x,y,z,θ_x，θ_y)の全てを能動的に制御する場合は，外乱に対する安定性が高い。一方，能動的に制御する軸数を一部減らし受動的に安定とする場合は，必要となる変位センサとインバータを減らすことができ，低コストになる。しかし，受動的に安定とする永久磁石と鉄による磁気吸引力は，変位に比例するバネカとしてのみ働く。したがって，受動的に安定な方向は，速度に比例し振動を速く収束させる働きをするダンピング力に欠けるという問題点がある。受動的に安定な方向のダンピング力を増加させる手法の1つに，渦電流を利用する方法が提案されている。追加した磁石が上下することで渦電流が発生し，ダンピング力として働くが，追加部品が必要である。