原発用ケーブルの安全性に関する国際共同研究とFDR法の優れた劣化位置標定能力

摘要

商用原子力発電所（以下、原発）には、一基1,000km を越える長さのケーブル類が使用されており、とりわけ、事故時に安全な停止を担う安全系ケーブルの劣化を予知することは、極めて重要である。この見地から、国際原子力機関（International Atomic Energy Agency）は2011年にCoordinated Research Project of Qualification，Condition Monitoring，and Management of Aging of Low Voltage Cables in Nuclear Power Plants（以下CRP）と題する国際共同研究を立ち上げた。本稿では、このCRPの現状と、研究内容を評価する会議で、我が国が開発している周波数領域反射法（frequency domain reflectometry、以下FDR）によるケーブル劣化位置標定法が極めて高い評価を受けている事実を紹介する。