バルクへテロジャンクション複合膜と称する,導電性高分子とフラーレンを当重量程度ずつ混合した有機半導体薄膜を受光層に用いた有機薄膜太陽電池が軽量,柔軟性,塗布型製造法との親和性など,従来からあるシリコンなど無機半導体を用いた太陽電池が持たない種々の特徴を備えていることから注目を集めている。[1,2]そのような特徴の一つとして,低照射光強度において前述の無機太陽電池はパワー変換効率が顕著に低下する[3]のに対し,有機薄膜太陽電池では効率が増大する傾向にある[4]ことがある。これは,いわゆる環境エネルギー·ハーベスティング技術の1つである,室内光ハーベスティングデバイスとして有望であることを意味しており,普段目にするような時計や電卓だけではなく,近年人口に膾炙するIoT(Internet of Things)をキーワードとするような,大規模無線センサーネットワークにおけるセンサー·ノードなどに向けた半永久型電源などへの活用が期待される。このようなセンサー·ノードはー般に超小型かつ安価であるため,使用後にきちhと回収されない,使い捨て型となる可能性がある。
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