固相マイクロ抽出－ガスクロマトグラフ質量分析計を用いた絶縁油中フルフラール定量方法の開発

摘要

変圧器の余寿命診断の指標となる油中フルフラール類の定量方法として「石油学会規格 JPI-5S-58-99（以下 JPI 法）」が国内で一般的に普及している。しかし、これまでの調査から植物油系絶縁油や著しく劣化した鉱油系絶縁油にそのまま適用することには、問題があることが分かった。そこで筆者らはこれらの問題を解決でき、簡便でかつ人的誤差が生じにくい定量方法として、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いた固相マイクロ抽出法（以下 SPME-GCMS 法）の開発に取り組hで来た。本稿では、SPME-GCMS 法にて経年変圧器絶縁油（以下実器油）中のフルフラールを定量し、JPI 法（固相抽出カートリッジ改良）との相関性を検証した結果を報告する。